何も言えない
わたしは話すことが苦手だ。
とくに自分の話。自分の気持ちとか、自分の考えとか。
辛いと思っても、いや、言うほど辛くないのかもしれない、とか思ったり、
大人なのに弱音吐いたり文句言ったりしてたらみっともないな、と思う。
自分はこの国についてこう思うけど、誰もわたしの考えなんてどうでもいいだろうな、とか。
実際疲れた〜とか、世の中のどうしようもない理不尽なこととかに不満を言ってる人が苦手で、そんなこといってもどうにもならないのにバカだかなあと思って見ている自分がいる。
こんな調子で匿名のツイッターでも自由に発言ができない。
わたしは常に穏やかでいたいと思っている。
穏やかでいる人がどんな状況でも勝ちで、幸せになれる人だと思ってるから、世の中で自分だけは穏やかでいたい。
わたしはあんまり自分からベラベラしゃべるほうではない。
自分の話をするのが本当に苦手で、とくに愚痴とか、弱音とかは一切言えない。
愚痴を言っている自分は穏やかではないし、そんな自分がいいと思えない。
愚痴を言うのにももう一回ムカついたことを思い出さなきゃいけないし、他人に説明するのも面倒で、いつも考えることを放棄して見て見ぬふり、なかったこととして自分のなかで完結させている。
だから妥協が得意だし、執着するものも少ない。
ほんとうはこれを辞めたくて悩んでいる。
わたしは今年の四月に社会人になった。
慣れない仕事に追われて、仕事柄辛いことも多くて、確実にメンタルにくる瞬間はある。
でも本当の悩みとか、辛い話はまだ誰にもしたことがない。
たまに誰かに聞いて欲しくなる時がある。知ってる人には絶対話したくない。お坊さんとか、架空のAIとかなら話せるかもしれない。
悩みを話せる人が羨ましい。
自分のことを話す勇気もなければ話す気力もない。めんどくさいし不毛な話はしたくない。自分が思っている以上に自分にとって自分はどうでもいい存在で、いもしない穏やかな自分になろうとしているだけなのかもしれない。
自分の本当の気持ちを押さえ込んで穏やかさを保って、自分は自分を大切にできているのかもわからなくなっている。このまま弱音を吐けない大人になったら、いつかこの社会のストレスに潰される予感がしている。
自分の話が苦手と言っておきながら自分の話しか書いていないけど。今日はちゃんと残す。